グループディスカッションのコツ
はじめに
今回は、GDの役割や時間配分、進め方についてお話したいと思います。
特に、時間配分については、初めての時には何も決めずに始めてしまう人が多くいます。
そうすると、GDの時間が限られているため、時間内に終わらせることができないという問題が起こります。
しかし、これが仕事であったら“納期に間に合わない。”なんて許されることではありません。
そのため、時間内に終わらせるということは守る必要があります。
そういったときに、最初にチームでどう進めるのか、決めて置くことはとても重要になります。
GDでの役割
司会
・ディスカッションをリードする役割
→複数の人数で効率的にディスカッションを進めるために必要な役割
→議論の拡散と収束を意識して、時間内に答えを導けるようにする
・メンバーが発言しやすい雰囲気を作る
→発言を自分からできないタイプの人に声をかけ、発言できる状況を作る
※議論を仕切ってしまわないように注意!
書記
・議論した内容を書き溜めてまとめる
→メンバーが言った意見の要点をまとめる
・書くだけではなく、話し合いの途中でみんなの意見をまとめ、伝える
→全員が見やすいように工夫してまとめる。
→拡散フェーズと収束フェーズ分けて書くと良い
※メモに集中して発言をしなくならないように注意!
タイムキーパー
・こまめに時間をチェックし、議論の進捗を確認する
→議論に集中してしまうと、時間を忘れて、結論まで導くことができないことがあるため、重要な役割
・ただ時間を伝えるだけではなく、議論の流れを方向付ける発言を心がける
→「残り〇〇分なので、今までの意見をまとめていきませんか?」など
どのようにGDを進めると良いか
アイディアタイプのGD
①あいさつ・自己紹介をする(GDの前に自己紹介をしている場合は省略可能)
・初対面のメンバーで議論をするため、簡単に自己紹介をする
②役割の決定(※役割を決めてはいけないという指示が出る場合もある)
・司会/書記/タイムキーパー等の役割を決定する
③時間配分の決定
・議論の進め方とタイムスケジュールを決める
→時間内に結論まで出しやすくなる
④前提条件を揃える
・チーム内で共通認識を持ち、定義を共有する
→全体の方向性が決まる
前提を揃えるときのポイント
1.語句の定義・・・曖昧な語句を定義づける
2.対象の設定・・・対象は誰なのか考える
3.出題の意図・・・何を目的として出題されているのか
4.ゴールの共有・・・最終的な結論の形を考える
⑤アイディア出し(拡散)、アイディアの統合
・可能な限り多くの意見を出し、同じような意見をまとめ、精査する
アイディア出し:ブレインストーミング
1.可能な限り多くの意見を出す(質より量)
2.自由奔放にアイディアを出す
3.出された意見に対して批判をしない
4.アイディアを統合し、発展させる
統合:KJ法
1.アイディアをラベル化する(ブレインストーミングで行うもの)
2.ラベルをグループ化する(関係性のある意見をグルーピングする)
3.関係性を図式化する(グループ化したものの関係性)
4.図解を元に文章化する
⑥アイディアの絞り込み(収束)
・みんなで決めた評価軸に沿って、良いアイディアを選択する
(※アイディアタイプは、前提を再確認することが大切→筋が通る)
⑦選択したアイディアを具体化する
・具現化し、オリジナリティのあるものにする
→絞り込むだけでは、一般的なアイディアが多いため、そこから具現化することで他グループと差別化ができる
⑧発表の練習
・練習を通して、抜け漏れがないか再度チェックする
(グループの誰もが発表を任されてもできるぐらいまで共有することがベスト)
問題解決型のGD
①あいさつ・自己紹介をする(GDの前に自己紹介をしている場合は省略可能)
・初対面のメンバーで議論をするため、簡単に自己紹介をする
②役割の決定(※役割を決めてはいけないという指示が出る場合もある)
・司会/書記/タイムキーパー等の役割を決定する
③時間配分の決定
・議論の進め方とタイムスケジュールを決める
→時間内に結論まで出しやすくなる
④前提条件を揃える
・チーム内で共通認識を持ち、定義を共有する
→全体の方向性が決まる
⑤問題点・原因の洗い出し(拡散)
・与えられたテーマの問題点、原因を洗い出す
⑥主原因の特定(収束)
・問題点、原因の中で一番影響を与えているものを絞り込む
・評価軸に沿って、優先順位を決定する
⑦ターゲットの選定
・現状分析、主原因に基づいてターゲットを選定する
→ターゲットは問題に対するインパクトの大きいものを選ぶと良い
※ターゲットが不明確なまま解決策を考えると、議論が抽象的になり、収束しない可能性がある
⑧解決策の洗い出し(拡散)
・可能な限り多くの意見を出して、同じような意見をまとめ、精査する
⑨解決策の絞り込み(収束)
・評価軸に沿って、最も良い解決策を選択する
⑩選択した解決策を具体化する
・具現化し、オリジナリティのあるものにする
⑪発表の練習
・練習を通して、抜け漏れがないか再度チェックする
(グループの誰もが発表を任されてもできるぐらいまで共有することがベスト)
どちらのタイプも、①〜④のGDの本題に入る前の準備の段階は、素早く時間をかけずに行うことが大切です。
アイディアの拡散・収束で時間をかけ、なるべく多くの意見をグループで協力して出し、納得のいく結論に持っていくことがスムーズに進めるためのポイントです。
まとめ
GDの役割はどれも大事なものです。
ただ、「役割についたほうが評価が良くなるだろう」など考えて役割につくのなら、役割につかずに意見をたくさん出せる人の方が評価が高くなってしまうことがあります。
いかに、自分の立場を理解し、その中でどのようにチームに貢献したらよいのか、ということを考えられているかが1番のポイントになるでしょう。
GDの進め方に関しては、企業によって進め方の指示があるもの、30分、1時間、2時間などと時間制限だけを設けられているものがあります。
その中で、いかに効率よく、具体的な提案ができるかが求められます。
GDを仕事に置き換えて考えたときに、大切となる3つのことがあります。
それは、①スピード、②正確さ、③丁寧さです。
仕事では、クライアントに提案を行うとき、“期日をしっかり守り、正確な情報を元に、相手にわかりやすい資料などを用意する”ことが基本です。
そのため、GDに取り組むときもこの3つを意識して臨むと良いと思います。